[天空の城タケダ~タケダは本当にあったんだ!~]
『5時30分 天空の城が、旅立つ私を見送ってくれた』
いつぞやの18きっぷのポスターで、このフレーズと共に播但線が採用された事がありました。
今回はこの『天空の城』と形容された、雲海に浮かぶ竹田城を見に行くお話。
とことで竹田城址近くにある臨時駐車場に到着。時刻はもちろん5時3…
え、2時00分?着くの早過ぎね?
なぜここまで早く着いてしまったのか。それにはいくつか理由がありまして。
まず一つ目として、この竹田城址がいつの間にかとても人気スポットになっていた事。
先のポスターが掲示された頃からでしょうか、パワースポットとしてこの地に数多くの観光客が訪れるようになりました。
特に雲海との組み合わせが期待されるこの時期は、一際賑わいを見せています。
しかしながらついこの前まで知る人ぞ知る史跡だった為、急増した観光客を捌く事ができない状態が続きます。
□雲海観光客騒がしくて…朝来市駐車場夜間は禁止
特に駐車場についての問題は深刻。
□竹田城跡周辺駐車場マップ | 朝来市
最近になって急ごしらえながらも駐車場の確保が進んできましたが、いかんせん情報量が少ない。
このような事から不測の事態にも対応出来るよう、早く向かう必要があると判断しました。
でまあ、理由はもう一つありまして。
それはね…そうね、思ったより近かったんよねここ。
そら同じ兵庫県内な上に北近畿豊岡道で一直線という場所からの移動だもんね、仕方ないね。
とことでして、なんと1時30分には竹田城址付近に到着してしまいました。
イベントがイベントならペナルティ喰らうレベルですが、24時間開放の駐車場があることはしっかり確認済み。
しかもある程度山の中腹まで登ったところにある駐車場と言う事で、ここは確保しておきt…
…?
あ、はい。なるほどですね。
まさかの山道通行止。おっかしいな…そんな情報全く出てなかったんだけどな…
□【重要】立雲峡の車両通行禁止について | 朝来市
と思ったらあった。さっき見つけたね。
□竹田城跡撮影スポット | 朝来市
ちなみに当初から参考にしていたページはここ。立雲峡の紹介からご丁寧に駐車場への道のりも書いてあり…
って、このページからさっきのお知らせへのリンクとか貼っとこうよ!ホントまんまと嵌められた気分だよ!
まあ喚いた所で通行止が解除になるわけでも無し。
すごすごともと来た道を引き返し、「指定の駐車場」である所のここへたどり着いたのでした。
さすがに到着時間が2時だったので、車の入りもまばら。
とは言えその後から順調に車が入ってきましたので、早く着いたのは結果的にOKでした。
さてここからが本題。2時間程度の仮眠を経て、いよいよ『雲海に浮かぶ』竹田城址を見に出発です。
一応『』で強調してみましたが、あくまで『雲海に浮かぶ』竹田城址を見るのが目的。
ですから今回は竹田城址には登りません。先ほどの駐車場の件で出てきた、立雲峡へと向かいます。
徒歩で来た。
2時間程前に来たときは入れなかったこの先、いよいよ足を踏み入れます。
なお写真が白んでいるのは霧のせい。
視界は悪くなりますが、雲海の発生には欠かせない条件。登山前から俄然期待が高まります。
まずは当初は車で向かいたかった立雲峡の駐車場まで。
当然ながらこの区間は舗装された歩きやすい道…と思ったら、工事区間の迂回路が思いのほか急な山道で焦った。
とは言えその区間以外には特に苦労する事もなく、立雲峡駐車場地点に到着。
ここからさらに上へ登り、展望台へ向かう…んですけど案内図には展望台の記載が無いな?
と思ったら、その先へ進んだところに小さな立看板がありました。
「具体的には書かへんけど、とりあえずこの先進んだらあるから行ってみ?」
と言わんばかりの案内ですが、まあ一番上の第一展望台でも歩いて30分程度らしいので行ってみましょう。
程なく歩いて、まず第3展望台に到着。まず道は間違えてないようなので、このまま進んで行きます。
しばらく進むと突然の分かれ道。肝心の案内板には
『観桜の森』
『愛宕の森』
という表記のみで、展望台への道のりは示されず。
これには我々困ってしまいました…が、意外にもすんなりと結論が出ました。
「…愛宕一択じゃね?」
そうです、今回の同行者はすべからく提督だったのです!
とことで我々はここで『愛宕の森』方面を選択。愛宕神社の鳥居をくぐり、先へ向かいます。
結果的にこの選択が大間違いだったんですけどね。
鳥居をくぐってしばらくしてから異変は起こります。
急に険しくなる登山道。
さっきまで見かけた展望台を指し示す看板の消失。
さらに険しさを増す登山道。
そして「徒歩15分」で到着できるはずの第2展望台が見当たらない。
「…もしかしたらこれは道を間違えたかもしれん」
そう思って立ち止まるも後の祭り。先ほどまで登ってきた道が険しすぎて戻る気力も起きず。
駐車場での案内板を見る限りでは、最終的に先ほど別れたルートとは合流できそうだったので、一呼吸置いて先へ進みます。
もはやヤマノススメであおいが恨み言を言いながら登るシーンをつい思い出すような状況。
どうせならかえでさんと一緒に登りたかった。
その後も容赦ない山道は続きます。登り始めてから既に30分以上経過。
一向に展望台らしき地点はおろか、展望台への看板すら見当たりません。
しかし徐々に視界は開け、この登山道自体は頂上が近い事を教えてくれまs…
「…これ、たぶんやけど『頂上=展望台』じゃないんちゃうか?」
そうです、視界が開けて気づいたのですが、このまま山頂方面へと登ると肝心の竹田城址からドンドン遠ざかってしまうのです。
それに気づくや否や、もと来た道…というかとにかく竹田城址が見える方角へ向かう道を探し当ててひたすら突進。
真っ暗な山道で割と暴挙に走ったような気もしますが、だいぶ視界も開けていたので結果はすぐに出ました。
時刻は、山登りを始めてからなんと1時間20分も経過した5時20分。
我々はようやく、はるか向こうにぼんやりと山肌の浮かぶ様子が見える場所へ、たどり着いたのです。
この場所でいそいそとセッティングを開始。そして徐々に明るくなるのを待つこと15分…
…完璧!完璧です!
いやまだセッティング不十分でしたので写りは完璧じゃないかもしれませんがともあれ。
まさにパンフレットやポスターで等で見るような…いやそれよりも完璧な、雲海に浮かぶ竹田城址が見えてきました!
しかしその後撮影に苦労するの図。
足場が不安定で斜め向いたり、微妙にピントが合わずにぼやけてみたり…
はてさて、セッティングで試行錯誤するうちにだんだん周囲が赤くなってきましたよ?
…よし、間に合った!
という事にしておこう!
日に照らされいっそう存在感を増した竹田城址。その下は雲海に隠れて全く見えません。
その姿はもうまさしく
??「すごーい!本当にラピュタみたーい!」
あら、写真のセッティングに夢中になってて気がつきませんでしたが、気づけば結構な人だかりじゃないですか。
しかも皆様割と軽装で。
いや…あの山道を…その軽装で?ははっ、そんなまさか…
他人のことはさておき、撮影に戻りましょう。何度も繰り返しますが、この日の雲海の状態はほぼ完璧。
雲の上に浮かぶ陸地、まさに『天空の城』という表現がまさにぴったりでした。
寄ってみたり引いてみたり。
構図を変えてみたり。
配置によって浮いてるように見えたり、はたまた小島のように見えたり。
少し引き気味で周囲も写しながら撮ると、まるで瀬戸内海のような風景にも見えたり?
それにしてもこうやって見ると奥まで雲海がびっしり。いやーホントいい日に来たもんです。
少し面白かったのがこの構図。
思いっきり引いて撮ると周囲の木々がフレームのようになって、その奥の竹田城址が絵画のように写ります。
…うん、自分ではそう見えたからそれでいいんだ。
気づけば5時30分頃から撮影を始めて、8時まで撮りまくっておりました。
その間雲海は途切れることなく竹田城址を取り囲んでおりましたが、そろそろ晴れてくる時間帯となります。
とことで後ろ髪を引かれる思いではありましたが、下山する事に。
下山ルートの看板は、我々がこの展望台にたどり着いた方とは逆の道に設置されていました。
そしてそこを往来するのは小さい子供さんやら、明らかに山歩き向きでない靴を履いた若者…
…これはひょっとするとひょっとして?
多少の疑念を抱きつつ下山開始。下山開始してしばらく、疑念が確信に変わりました。
「こっちの道、めっちゃ楽や!!」
多少滑りやすいところはありましたが、まさにハイキングにもってこいの道が続きます。
日が昇っているという状況の違いもあるでしょうが、どう考えてもこちらの方が楽でした。
少し歩くと、行きの道ではたどり着けなかった第2展望台に到着。
ただ、展望台というよりか「ここからとりあえずは竹田城址が見えますよ」といった代物でしたが。
まあこの先の登り道が多少きつくなっているので、ここをキリにするのも一理あるかな。
そしてもうお分かりの通り、このルートには要所要所で展望台への看板があるんですよね…
第1展望台を出発する事20分。どこかで見たような光景が飛び込んできます。
そうです、運命の分かれ道となった、愛宕神社ルートとの分岐点です。
というかですね、あんなけ看板出してるならこの一番の分かれ道にも当然看板出しておいてしかるべきだと思うんd
あるじゃん!きちんと看板あるじゃんよ!
そうです、行きの時点ではまだ暗がりだったこの地点。
我々は懐中電灯(と呼ばれるiPhone)を片手に歩いておりました。
となれば当然前を照らす事になりますから、真っ先に目に入るのはこの『愛宕の森』看板って訳ですよ!
まさかこんな足元にこんな看板あるとは思いも寄らなかったですよ!
はい、喚いても後の祭りなのでそのまま下山を続けましょう。
まあ遭難したわけでもなし、ちょうど良い思い出になったって事にしておきましょう。
そうじゃないと辛い。
とことで無事下山。行きの1時間20分に比べて帰りは50分。
上り下りの考慮した上でこの30分差をどう見るかは難しいところではありますが…
ただ間違いなく言えたのは体力の消耗具合が全然違ったって事かな。そりゃこのルートなら軽装でも行けますわ。
駐車場まで戻ってきました、見上げればすっかり雲の晴れた竹田城址が見えます。
本来ならこの後、あの城跡にも登る予定だったのですが…
「…風呂、入りに行きましょうか」
同行者含め満場一致。
こうして竹田城址に登ることなく、次の目的地へと向かったのでした。