[1928年阪堺の旅]
世間ではセンター試験ということで、受験生の皆様は日頃の成果を存分に出し切った所かと思います。
一方で私のほうも来週試験がありまして、土曜日は黙々と机に向かっておりましたが
さすがに日曜日は我慢も限界に達しまして
現実逃避に走ってしまいました。
あ、試験?んなもん鉛筆転がしたらいいんだよ!
とことでやってきました阪堺電車住吉駅。
この駅は阪堺電車の阪堺線と上町線が平面で交差しており、さながらジャンクションのような配線となっています。
大きな通りを路面電車がまさに縦横無尽と走る姿は見ていて実に楽しい。
なんてことをしておりましたら
なんかすげえ古そうなやつがきた。
いやいるのは分かってたけど、こうもタイミングよく来るとは…そりゃもう乗車ですよね。
今回乗り込んだのは161形電車の163号。
阪堺電車も新形式に混ざって古参の車両が頑張るという関西私鉄らしい状況にありますが、この161形はちょっと訳が違う。
製造年、年参和昭
今年で車齢は85年。
あまりの古さに思わず逆読みですよ。ターャジスですよ。
そしてなにが凄いってこの161形、現在も10両が在籍し、通常の営業車両として使用されているんですよね。
もちろんこれは数ある鉄道車両において、歴代最長稼動年数を誇っております。
見てくださいこの飾り金具!
この金具一つとっても、大正から昭和初期にかけての華やかな文化が垣間見れます。
一方で運転席にある機器類は…一般の営業用車両と言う事もあって後から取り付けられた機器も多そう。
走行中の様子はこんな感じ。釣りかけ駆動の重たい音に歴史を感じます。
激しく揺れるのは…まあご愛嬌だね。
そうこうするうちに、列車は終点の浜寺駅前駅に近づいてきました。
各駅で乗客を降ろして閑散とした車内に差し込む夕日。まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ります。
整然と並んだ押しボタンもまた良し。
…終点で意味も無く押せばよかったか?
とことで終点、浜寺駅前駅に到着。ここで車内の写真を撮ろうとしたら…
「はいすぐに折り返すんで降りてくださいー」
との急かすお声が。実際一分ちょっとで折り返すため、到着後は速やかに降りないといけないようです。
その為写真は撮れず。まあ仕方ない。現代は忙しい…
と言う事で最後はノスタルジックな雰囲気から現代へ一気に引き戻された、ちょっと世知辛い小旅行でした。
ちなみに余談。終点の浜寺駅前駅からは南海の浜寺公園駅へと乗換えができるのですが
この駅舎がまた良い雰囲気なんですよ。
駅改札前の解説を見るに、建築はなんと明治40年だとか。
昭和初期の電車に乗って明治時代建築の駅舎を見に行く…これだけでちょっとした観光になりますな。
いやはや、大阪の奥深さを改めて感じました。