前回からの続きです。
菊水山駅はまだホームも残っていて比較的認知されていると思いますが、今回は知る人ぞ知る廃駅のお話。
この列車が出てきたトンネルの先に、その廃駅は存在します。
1928年、有馬線の開業とともに誕生。隣の有馬温泉駅との距離は700mほどで、間には峠をパスするトンネルがあります。
こんな場所に駅を設置したのはこの周辺に一大テーマパークを建設するという壮大な計画があったからだそうですが、様々な要因が重なって最終的に計画は頓挫。
加えて元から少なかった周囲の人家がさらに減少。乗降者数僅少のため、1975年にあえなく休止駅となりました。
ただ神鉄は一大テーマパーク構想を諦めきれなかったのか、なんとこの駅を休止駅のまま2013年まで引っ張ります。
ここまで休止期間が長いと、休止中の同駅の写真は比較的各所で見ることが出来るわけでして。
何を隠そうこの私もちゃんと写真を撮って……

いやちゃんと撮っとけよ○年前の自分!!
「いつでも撮れるし」と思って実は一枚も撮らずじまいというパターンが、ここで発揮されておりました。
分かりにくすぎるので説明をしますと、一枚目でクイっとフェンスが上がっているところがホームの始まり、そしてホームのある場所は二枚目写真のようにフェンスが設置され、もはや駅ホームから線路へ近づくことは出来ない状態でした。
……まあ分かりやすい写真はWikiとかちょっと調べたらいくらでも出てくるので、そちらをご覧ください。
で。当然のことながら2013年まで引っ張ったところで一発逆転劇が起こるわけもなく。
逆にほぼ放置状態だったホームの老朽化が進んだことから2013年で正式に廃止となり、ホームも撤去されました。
ホーム無き後はそこに駅があったという痕跡もほぼ残っていませんが、一応駅跡近くまで行くことは出来ます。
この前は菊水山駅まで行ったことですし、せっかくなので新有馬駅にも行ってみましょう。
今回は有馬口駅側から県道51号を使ってアプローチしています。お供は110㏄のカブです。
徒歩でも行けるのですが、道中は交通量がそこそこある割にほとんど歩道がないのでお勧めはしません。
県道51号は有馬温泉までほぼ線路と並走します。

しばらく走って有馬温泉の看板が見えたところで、左へ逸れる脇道があるのでそちらへ切り込みます。
ここが四輪車だと入れないので、その点でも今回はバイクが便利だったんですよね。
脇道の片隅で邪魔にならないようバイクを止め、徒歩移動に切り替え。
この先はバイクを止めて置けるような場所もないので、やむなしです。
脇道から移動開始してしばらくでこれ。危ないので十分注意しましょう。

ヒヤヒヤしながら進むうち、再び左へ逸れる脇道が出てきます。
こちらの道は入り口にしっかりチェーンが張ってありますが、歩いて入る分には問題なさそうです。
手前の空間は駐車禁止なのでご注意を。

脇道に入った先はこんな感じ。奥に見える線路めがけて、ほぼ直線に延びています。
少し頼りない橋を渡ると、ほどなくして広場が現れます。この場所こそが今回目的の新有馬駅跡です。
先ほど言った通り、広い空間があるだけで駅跡と分かるようなものはもう残っていません。
ただ広場の面積はなかなか広い。もし本格的に駅が出来ていれば、駅前ロータリーも作れたでしょう。
開業時点でとりあえず設置したと言うより、ある程度計画を持って設置したであろうことが伺えます。
しかし菊水山駅跡とは対照的で本当に痕跡がないので、これ以上何かを紹介する事もないです。
こんなところにポツンと人が立っていたら怖がられます。
あえて言えば廃止前までホームがあった所には養生シートが張ってあり、これが痕跡と言えなくもないですね。
このシートもあとしばらくしたら自然に還りそうですが。
ちなみに広場まで続いていた道については、この先も山奥に向かって延びてはいます。
が、間を通る線路が第4種踏切ですらない「勝手踏切」の形状。広場より先は実質行くことが出来ない状態です。
ほかに見る所もありませんし、探索もこの辺りにしてバイクを置いた所まで戻りましょう。
いやそれにしてもこの道歩くのほんと怖いな。歩道が欲しいわ。
この道はたとえ有馬温泉側から向かったとしてもやっぱり歩道はありませんので、歩くときはとにかく注意しましょう。
菊水山駅跡に比べると到達難易度は全く大したことはありませんけど、危険度はある意味こちらの方が高いかもしれません。

ところで今回バイクを片隅に置かせてもらったこの脇道は旧道からの転用なのですが、少し興味深いものがありまして。

それがこちら。この道が現役だった時期に使われていただろう表記類が今も残っていました。
思いがけず新有馬駅以外の遺構を見つけることが出来たので、ちょっとテンションがあがりましたね。
とりあえずお供と一緒に記念写真を撮ったりしてね。ここで一旦目的を忘れてこのまま帰りそうになってますねこれ。
本来の目的を思い出せてよかったです。
以上、今回は神戸電鉄で廃駅となった2駅のお話でした。
一口に廃駅と言っても、一切合切が残る菊水山駅と一切の痕跡が消えた新有馬駅で大きく違いました。
それでいて実は廃止時期がほぼ同じ(菊水山駅2018年・新有馬駅2013年)というのはまた面白いポイントです。
この先さらに時が流れても、昔ここには駅があったという記憶はしっかり残しておきたいものですね。
記録としての写真もこまめに撮ろうな。
【神戸電鉄に残る廃駅2選】
菊水山駅編|新有馬駅編