[祝・姫路モノレール開業]
祝・姫路モノレール開業!!
…と、華々しく伝えられたのは昭和41年の話。
姫路市の新しい交通機関として期待されたこのモノレール。
開業当初は予想通り姫路大博覧会の輸送手段として活躍したものの、その後は見事に大赤字経営。
そして、わずか8年で休止、そしてそのまま廃止となり
あわれ、当時最新鋭の技術で作られた車両は、廃駅となった手柄山駅のホームで永遠の眠りに…
ついたはずが、再び人々の脚光を浴びる事になっちゃいました!ってのが今回のお話です。
公開に至るまでの経緯はここでも何度かニュースで取り上げてきましたが、
要は「老朽化した市営水族館の代替施設を作る際、他に何か目玉となる展示が出来ないか?」という話から始まります。
その目玉展示として白羽の矢が立ったのが、このモノレールだったわけですね。
どうやら水族館横にある建物に封印されていた事が功を奏したようで、いざ調べてみると施設・車両共に良好な保存状態。
加えて現在の市長がモノレールを作った当時の市長の息子と来たもんで、
「これはもう展示するしか!」
…という経緯だったかどうかはさすがに知りませんが。
ともあれとんとん拍子に話は進み、一昨年の11月には35年ぶりに公開され、そして今回の展示に至ったわけです。
さて、前置きが長くなりましたが、早速展示内容を見て行きましょう。
まず展示室入り口から。上面のガラスには、大きく車両の線図が描かれています。
かつてはここから姫路駅に向けて車両が出発していたわけですねー。
そして中に入りますと、
でーん、と車両がお出迎え。
この角度でモノレール車両を見る機会はめったに無い訳ですが…かなりの迫力です。
ただしこの階は水族館(7月2日オープン予定)への入り口としての用途がメインな為、モノレールの展示としてはこれだけ。
とことで早速2階へ参りましょう。
2階の様子。公開初日と言う事もあってか、かなりの盛況振りです。
この2階では車両展示だけではなく、当時利用されていた装置や看板等も展示されています…といいますか
当時利用されていた装置が当時のまま残されています。
何を隠そう、今ここにいる場所がまさに当時のプラットホームだったわけですね。
となると、駅撮りをするとしたらこんな感じだったのでしょうか?
なお姫路方には渡り橋が付いておりまして、右写真のような構図で撮影が出来ます。
ちなみに上のスピーカーからは当時録音されたと思しきアナウンスが流れてきます。めっちゃ大阪弁でアナウンスしてます。
しかしなんと言うか…始発遅いわ終電早いわでどうしようもないなこれ。
ホーム側のスペースでは他にも大博覧会当時の手柄山駅周辺ジオラマや姫路市営交通の歴史、車両部品の展示等が。
ジオラマでは大将軍駅と手柄山駅を行き来するモノレールの勇姿も再現されていますよ!
さて視点を車両の方へ向けてみましょう。
この車両、ただ展示されているだけではなく、実際に車内へ入る事が出来ます。
これも封印が結果的に功を奏した、と言えるでしょうね。
車内の様子。シートはボックス式。クッションが厚めながらも、ほぼ垂直で若干短い背もたれが時代を感じさせます。
そして天井には結構良い音しそうなファンが。どうやら冷房装置は無かったようです。
運転室後のかぶりつき席より、運転室の様子を。計器類が数多く並んでいます。
その中央に見える速度計が指し示せる最高速度は120km/h。
その気になれば160km/hも可能とか言われていたようですが…実際には80km/h前後での走行が考えられていたのでしょうかね。
姫路側の運転席からは先ほど入ってきた入り口より、姫路駅方面の町並みが見えます。
下半分の衝立が無ければ、当時の出発前の光景がさらに思い起こせそうなのですが…ちょっと残念かも。
この他、2階では日本のモノレールに関する資料展示や、ちょっとしたクイズも楽しめるようになっています。
しかしこうして見ると…不遇な運命をたどってるモノレールって多いですね…
そしてこのコーナーを抜けるとそのまま外に、つまりはモノレールが延伸を夢見た方向へ抜けることができます。
ここでは台車が展示されています。
てかこのモノレール、1本どころか4本ものレールを使ってたんやな。
と、オチも付いた所でモノレールの展示物はこれで終了。
とにもかくにも、40年近くも放置されながら、ここまで状態良く残っていた事に驚きました。
全ては当時の封印が生きたと言えるでしょうな。
…もっとも、当時の関係者はそんなこと考えて無かったとは思いますが。
とことで以上、姫路モノレール公開開始記念レポでした。
ちなみにこの展示がある「手柄山交流ステーション」へは、山陽電車の手柄駅から向かうと便利です。
また、姫路駅からですと…
こんな感じの構造物をたどって歩いているうちに着きます(ぉ
また交流ステーションの3階では姫路モノレールにまつわる特別展が、そして屋外では記念イベントが行われています。
トンちゃんリクくんも待ってますので、是非一度訪れてみてください。