[オレンジフェリーに乗ったら旅客が私1人だった時の話(後編)]
前回は前置きと言うか近況報告で尺を取ってしまったので、今回は早速本編へ行きますよ。
とことで前回のあらすじ。
四国へ渡る為に神戸発のオレンジフェリーを使う事にしたら、どうやら旅客は私一人の模様。
一方でフェリーターミナルには、これから積載されるであろうトラックやらトレーラーが一杯!
この状況でただ一人徒歩で来ちゃった私、一体どのタイミングで、どこからフェリーに乗せてもらえるんでしょうか?
「車の積み込みが終わってから最後にご案内します」
そう言われてから随分と時間が経ちました。その間ひっきりなしに積み込まれるトラックやトレーラー。
一方でたまにドライバーと思しき人が窓口にやって来て、何やら手続きをしております。
そういやトラックやトレーラーにもドライバーが要る訳ですから、それなりに乗船する人は居るはずよね。
とは言え旅行目的で、しかも歩いて来たのはやはり私一人のようですが。
あとドライバーがそれなりに…ってのも結論としては違ったのですが、その辺りはまた後述という事で。
さて30分ほど経ちまして、いよいよ徒歩客乗船の時間です。
いやまあ私一人だけなんですけど。
で、ボーディングブリッジの場所はどこに…
「待合室前に車が来てますので、それに乗って下さい」
はて?車?
……まさか?
はいそのまさかでしたね。
そうだよ徒歩客だからって徒歩で乗船する必要無いんだよ。
自前で用意した車に乗せてしまえば、他の車と同じ様に積込乗船させられるんだよね!
驚きの方法に戸惑いつつも、無事に乗船。エレベーターで船内に入ります。
乗船後、取り急ぎ指定された部屋へ。いやあそれにしても……
めっちゃ快適空間やないか!
今までの流れからして、旅客用設備は最低限しか用意されてないのかと思いましたが、全くそんなことも無く。
まあ少し違うのは写真で見てわかる通り、人が居ない事ですよね。
あれだけ車積まれたのにドライバーさんの姿も見当たらない。
それもそのはず。さっきの動画にも映ってましたが、船から降りてくるトレーラーヘッドが見えますよね。
そうです、車は積み込まれるものの、ドライバーは殆ど乗船しません。
船内で見かけたドライバーさんらしき人は数人。
しかもドライバー専用の部屋があるようで、皆さん何処かへ消えて行きました。
なお旅行目的の自家用車とかは無い様子。結果として今日のオレンジフェリー、おれんじホープ号は
トラック・トレーラー:100台前後
ドライバー:若干名
旅客:1名
の構成で出航となりました。
部屋に荷物を置いて、ちょっと船内見学へ。
なお部屋自体は個室になっていますが、個室の入り口には鍵がありません。
ですから貴重品の管理はしっかりと……いや……今日この辺にいるのは私一人ですけど……
船内の案内図。このおれんじホープは当初から貨物メインのカジュアルフェリーとして新造されていますが、
個室の他にも雑魚寝部屋もあるなど、旅客対応も万全。
ちゃんと風呂も沸いてます。
ドライバーさん達含めても乗船客は10名足らずなのですが、ホントに設備が良い。なんだか申し訳なくなるレベル。
個室部分。10部屋一括りになっており、通路とのドアには鍵が付いています。
お部屋。充電用コンセントもバッチリです。
鍵が無いとは言え、この広さの個室が運賃込みで6,690円は安い。サン〇イズなんか目じゃねえ。
いやそれにしても人居ないな!おかげで撮り放題でしたけど!
といった感じではしゃいでおりましたが、気づけば時刻も2時前。
明朝に支障が出てもいけませんので、そろそろ寝ましょうかね。
おはようございます。時刻は朝の7時、清々しい朝です。
揺れで夜中に目が覚める事もなし。瀬戸内航路はこれが良いですねえ。
朝の支度もそこそこに船内の探索。相変わらず私一人です。
しばらくウロウロしていると
「朝食のご用意がございます。この機会に是非ともご利用ください」
との船内放送が。いやこれ完全に私個人に向けての放送ですよね。
そこまで言われちゃうと仕方ない、とことでレストランスペースへ。
食券を購入して厨房窓口へ行くと、調理担当の方が待ってましたとばかりに食券を受け取って調理開始。
これは事前情報で知ってたのですが、オレンジフェリーはこのホープも含めた全便で調理の方が一から作っています。
ここまでサービスが充実してるともうすっかり忘れそうになるんですが、この便、カジュアルフェリーなんですよね。
しばらく待って食事を受け取り。正直ご飯と味噌汁で良かったのですが、折角の機会なので朝食セットを頼みまし…
(あかん多い
多いってかご飯の量がね、小ぶりのどんぶり鉢に目一杯入ってますやんか。
完全にガッツリ朝食。これで670円なのでたくさん食べる人は満足でしょうね。
……すみませんご飯ちょっと残しました。
いや言い訳しますとね、ゆっくりなら食べきれるかなとか思ってたのですけどね、気づいたら
新居浜東港到着の時間になってたんですよ。
ギリギリまで朝食を食べていたので、ドタバタと用意してエントランスへ。
さて。乗船は専用車で乗込んだ訳ですが、気になる下船はどうなるんでしょうか。
ちなみに新居浜東港にはボーディングブリッジの設備があります。
ただ一目見るに日頃から稼働しているような様子はなく……
「後程ご案内しますのでしばらくお待ちくださいね」
あはい。
そらもちろんそうですよね。
てかこの専用車も一緒に来てたんやな。
なんかわざわざ申し訳ないと言うか気恥ずかしいと言うか、どうもありがとうございました。
ドライバーの皆さんは先に各自の車へ行った上、係の人も下船の準備に向かったので私一人が取り残された状態に。
貴重な体験とはまさにこの事…?
とことで車で新居浜東港に上陸です。お世話になりました。
車で降りたのでフェリーターミナルは完全にスルー。と言うかそもそも開いてない。
とは言えここはフェリーターミナル。ちゃんとバス停もあります。
当然のように来ませんが。
(大阪航路の運休時に運行される臨時便に合わせて、バスも運行されるようです)
下船後は腹ごなしも兼ねて少し付近を散策。
フェリーターミナルの隣はマリンパーク新居浜と言う公園になっており、キャンプの他、夏場なら海水浴も出来ます。
そういう場所なのでトイレも完備。良かった助かった(お察し下さい
今回お世話になったおれんじホープの姿。
それなりに大きな船体ですが、トラックの積載に重点を置いているのが中層部の構造から分かります。
旅客サービスがとても良かったのですっかり忘れていましたが、あれやっぱりカジュアルフェリーだったんですね。
それが証拠に、私がこうして公園を散策している間もトラックやトレーラーが続々降りてきます。
ついに私が公園を後にするまで途切れる事はありませんでした。一体何台乗ってたんだ…
さて、来ないバスを待っていても仕方ないので、歩いて最寄りの駅へ向かいます。
ここからの最寄りは新居浜駅…ではなくお隣の多喜浜駅。
徒歩30分程度という事で、まあそんな苦では無いかと思います。
但しそれは朝から気温30度越えとか言う猛暑日じゃなければの話。
途中にローソンが無かったらちょっと大変だったかもしれない。
逆に言えば少し歩けば大きな通りに出るので、食料調達は楽です。最悪タクシー拾えますし。
ローソンで水分を調達して、無事に多喜浜駅到着。
ここからようやく18きっぷの出番です。そうです今回は18きっぷの消化旅行なんです。
まあ今回の旅行記はここまでなんですけど。
と言ったところでオレンジフェリーの神戸〜新居浜航路、オレンジホープに乗った時のお話でした。
「元来は貨物運搬の為に設定してる便やけど、それでも乗りたかったら旅客受付もしてまっせ」
と言うスタンスはまさにカジュアルフェリーと言ったところですが、いざ乗るとカジュアルフェリーの面影はどこへやら。
一般的なフェリーと同等(それ以上?)の客室設備とサービス。
またこの日唯一の旅客にもかかわらず応対も丁寧で、逆に恐縮してしまいました。乗船下船はまさかの方法でしたが。
あと個人的には、夜遅くの出航で朝も早朝ではなくそれなりの時間(8:10)に到着すると言うダイヤも有り難い。
と言うか今回はこのダイヤ設定が利用の決め手でしたし。
とは言え貨物の動きが少ない休日とかは休航になるので、使うタイミングを考える必要がありますが。
あとは港と駅の間の移動をどうするか、と言う問題もありますが……
その辺りクリア出来ればこの航路、結構使い所ありそうですよ?
てか困ったら歩けば良いんです。よし解決!
※道中の備えは自己責任でお願いします
とことでオレンジフェリー、神戸〜新居浜航路に乗った時のお話でした。
[参考リンク]
□オレンジフェリー|四国開発フェリー株式会社
□船舶案内 | おれんじホープ | オレンジフェリー|四国開発フェリー株式会社