[最北端で愛は叫べない!?日本最北端の旅 その4]
前回のあらすじ。
当初ダイヤ変更で乗り継げないとなっていた『スーパー宗谷3号』。
偶然にも札幌でその列車への乗継方法を知った俺は
そのアナウンスを無視し、変更した予定通り旭川で宿を取ったのであった。
いや…突然そんなとこで言われても困るしさあ…頼むよホント…
そんなひと悶着もあった日本最北端への旅兼ラブひな舞台探訪、いよいよ最後の行程です。
乗り鉄の朝は早い。朝5時半ホテルのロビー集合である。目的は一つ、今日の始発に乗る事だ。
とことで朝の旭川駅です。ここから乗るのはこれ
0605発、稚内行き。普通としては今日最初で最後の、宗谷線内を通しで走る列車です。
車両はキハ54。クロスシートは特急車両のお下がりであり豪華…ですがロングシート部分も多いのが残念。
運用の都合上仕方ないかもしれませんが。
それでは出発。稚内まで5時間47分、一本勝負の旅が始まります。
旭川を出た列車は、比布(ぴっぷ)、蘭留(らんる)、和寒(わっさむ)など、北海道ならではの難読駅を通って行きます。
乗降客は割と多く、特に学生の利用が目立ちます。
あっ、先生!先生じゃないですか!木崎湖にいないと思ったらこんな所に!(過剰反応
しかし先生、今停車中なんですけど私のいる場所からホームが見当たりません!短すぎるよ先生!
とことで、ここでついに北海道ならでは(?)の仮乗降場上がりの小駅も出てきました。
0746、名寄到着。さすがに学生もここで降りた…と思ったらまた次の一団が乗ってきました。
ここの対向でやってきたのは音威子府からの快速『なよろ』。そいや舞台探訪的にはキハ40が良かったな…
名寄から先も仮乗降場然とした小駅や、美深(びふか)、咲来(さっくる)といった難読駅も次々出てきます。
名寄で乗車した学生集団はほとんどが美深で下車し、車内に閑散とした雰囲気が漂ってきました。
0852に音威子府着。
音威子府駅発車は28分後の0920という事で、ここで一度座席を離れて駅周辺の様子を…
見てみるも何も無かったですね。
音威子府駅の駅舎は木の温かみがあふれる綺麗なもの。
待合室の隣には、既に廃線となった天北線の展示がありました。
天北線はここ音威子府からクッチャロ湖経由で稚内までを結んでいた、今の宗谷本線の前身ともいえる存在。
宗谷本線が全通して以降、この区間での2ルートはさすがに需要が少なかったようで、平成元年に廃止となっています。
しかしこうして当時の資料を見てますと、「乗りたかったなあ…」という思いがふつふつと沸いてきますね。
今現在でもこの先どうなるか分からない路線や列車が数ありますが、やっぱり乗ると乗らないでは大違い。
機会がある限り、旅を続けて少しでも記憶にとどめていきたいものです。
少ししんみりした気分で列車に戻り、列車は定刻どおりに音威子府駅を発車。さらに北を目指します。
さて音威子府発車の後、この列車は途中の雄信内から幌延の間にある3駅を通過します。
今まで通ってきた駅から察するに、通過するとなればさぞ凄い駅だろうと思い撮影して見ました。
左より順に通過した安牛、南幌延、上幌延。
…うん、思ったより普通の駅じゃないですかね。ホームが最低でも1両分あるし(完全に感覚が麻痺しております
幌延到着。ここでも14分の停車となります、という事で
音威子府に続き駅前をフラフラ。この駅の近くには民宿があったり、コンビニもあるらしい。
しかし音威子府駅と違って、駅舎が場末感溢れてますな。
でもこの中の雰囲気は好きですね。真夏なのにストーブそのままなのが北海道らしい。
幌延を定刻どおり発車した列車、しかし途中の兜沼駅で行違い列車遅れのため遅延が発生。
やはり今回の旅、遅延からは逃れられない…っ!
その遅れのまま列車は勇知、抜海と進み…
いよいよ次はラブひなでも言及のあった南稚内駅です。
…忘れてたでしょ!これラブひなの舞台探訪旅なんですよ!最速探訪ですよ!
南稚内に近づき、“左手の”車窓に海が見えてきました。
ここまで来ると原作でも海沿いをカーチェイスするシーンを思い出して、俄然テンションが上がってきましたね。
…お気づきかと思いますが、海の位置関係真逆ですけどね!
程なく列車は南稚内駅に到着、そしてついに…
終点の稚内に到着!
到着時間は11:53。大阪出発から実に35時間半余りの長旅でした。
…しかし困った事が発生。
なんと改札口の様子から早速違っているという事案が発生です。
最速のはずだったのですが…この35時間で様変わりしてしまったというのか…
あー…まあどこまでボケ倒せば良いのか分からないのですが、この稚内駅は2010年に改築されました。
その際に駅構内の様子も一変。駅舎も近代的な駅ビル風のものに変わりました。
改築の際にホームも大幅に移動。それまで1面2線だったものが1面1線となり、終着駅としては少し寂しいものに。
とはいえ一時期完全に駅舎もなくなった枕崎駅よりはマシですけどね。
なおその枕崎~稚内間の距離を示した看板や、以前から有名だった最北端の線路看板は改築後も健在です。
ただしその線路自体はホームの移動によって幾分短縮されています。
そのため今はモニュメントとして、線路が改札内を突っ切り、そのまま元あった位置まで敷設されています。
さてさて。稚内駅とその周辺の紹介も続けたいところですが、今回の最終目的地はあの日本最北端、宗谷岬です。
とことで、もう少し旅は続きます。
稚内駅前には大きめのバスターミナルがあり、そこから宗谷岬を通るバスも運行されています。
乗車時間は50分程度、路線バスとしては少し長めのバス旅です。
バスはいかにも北海道といった道をひた走ります。そして沿岸部に近づき、岬の発電用風車が見えてきますと
宗谷岬に到着です!
さて早速行きましょう!比較するために本とかも出しとかないとです…
ファーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんですかねこれ、ちょっと人多すぎませんかね。
完全にこういううらぶれた雰囲気の物寂しい場所だと思い込んでいったのですが…
そうですよね、観光地ですものね。
気を取り直して。あのモニュメントの裏側へ回ってみましょう。
原作ではこの岬の裏は崖になっているはず!その崖を見ながら私はあのシーンに思いを馳せ
ファーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
なんでや!ワイの旅してきた35時間半(+50分)の間に何があったんや!
完全に岩場に様変わりしとるやないか!
…どうやらこの一日半の間に大きな地殻変動があったようです。
舞台探訪をしてると、どうしても世の中の変化につれて原作通りの再現が出来なくときもあります。
しかしまさかこの一日半の間で変わってしまうとは…
…ええまあ本当にどこまでボケ倒せば良いのかは知りませんが。
しかし実際に訪れてみた宗谷岬は、想像していた雰囲気とは違う場所でした。
いかにも観光地!といった雰囲気だったことや、なにより裏手が崖じゃなかったのがショックでショックで…
とか言いながら隙を見て一枚。ここまで来て撮らないわけにはいかんでしょ。
そうこうしているうちに折り返しのバスがやってくる時間になりました。
滞在時間は20分、ですがこれを逃すと次が3時間後になってしまうため、やってきたバスに乗って宗谷岬を後にしました。
宗谷岬から稚内駅に戻った後は、再びバスに乗って稚内空港へ行き、そこから新千歳空港に向かいました
いやー、やっぱ飛行機って早いね!あと地方交通路線だと割と気軽に乗れるもんだね!
札幌に戻った後は酒飲んだり酒飲んだり、あと酒飲んだりしましたが本当に酒飲んだりしかしてませんので割愛。
トラブル連発、そして最後は予期せぬ展開を見せた旅行も、こうして最後においしい酒が飲めればそれでよいのです。
いやでも最後神戸に戻るときに千歳線でまたしても炎上トラブル起こしてくれたときは本当に焦りましたが。
最近になって再び色々言われてますけど、信頼回復に努めていただきたいなあと思う次第です。
とことでラブひな舞台探訪でした!(最後に言い切ってみる
先も書いたとおり、ひなた荘の呪いか何か知りませんがトラブルの連発でした。
ただ当初の予定だと宗谷本線は暗がりを突っ切るだけの予定でしたし、旭川に一泊したのは逆に良かったかもしれません。
それ以前の道中も振替乗車で新幹線に乗れたり、引退寸前の車両に乗れたりと思い返せば貴重な体験ばかり。
それだけ楽しませてもらった、と思えばトラブルもどんとこいですよね。
まあ、それ以前に余裕持って予定組めって話なんですが…そればっかりは…まあ…ねえ。
[関連リンク]
□北の台地で知る真実!日本最北端の旅 その3
□JR北海道
□日本最北端・稚内のバス会社 [宗谷バス株式会社]