[加悦SL広場が閉園になると聞いて行ってみたらここは普通じゃ入れないような所まで入れる素晴らしい場所だった……]
北近畿地区に住んでいる鉄道好き、または小さなお子様がいらっしゃる方なら割と行った事がありそうな
『加悦SL広場』
かくいう私も子供の頃に数回、そしてエエおっさんになってからも数回行った事があるのですが
この度にわかに「閉園を検討する」というニュースが流れてきまして。
先日の居組駅同様、無くなってしまってはもう二度と見る事は出来ません。
ちょうど出掛ける用事もあったので、その行程を組みなおして立ち寄る事にしました。
舞鶴道の福知山ICから40分ほど走って到着。
この辺りは前日から雪が降っており、この日も雪から変わった雨が降り続いていました。
普段なら立ち寄るのもためらう状態でしたが、訪れる理由が理由なのでそのまま入園します。
入園券を販売する建物はかつての加悦駅の駅舎を復元したもの。
この場所自体は加悦駅ではなく大江山鉱山駅の跡地ですが、ここに駅舎を復元し、SL広場の玄関口として使われています。
建物の横には加悦鉄道で最後まで使われていたキハ1018(キハ10系)が展示されていますが
おおぅ……なかなか厳しい状態ですね。
他に外から見られるのはキハ083(キハ08系)ですが……半分幽霊列車やな。
さて、まず入園する前に建物の2階へ。
2階は資料室の様になっており、貴重な資料や鉄道関連部品が数々展示されています。
中々のボリュームですが、「入園する前に」と書いた通りこのエリアは入場無料です。
太っ腹と言うか、ここも有料で良かったのでは……この展示量なら誰も文句は言わないと思うんだけど。
ひとしきり見た後に入園券を購入して入場。ここからは園内で展示してある車両を簡単に紹介していきます
明治生まれの客車『ハ4975形』。中に入って座席に座ることが出来ます。
こちらも明治生まれの荷物室付客車「ハブ3号形』。荷物室含めて中に入ることが出来ます。
元国鉄キハニ40921の『キハユニ51』。平成に入って復元修繕工事を受けています。
その復元された郵便室も含めて車内見学が可能。運転席の機材も触れます。
北近畿地区の除雪に活躍したラッセル車『キ-165』。
事業用車という事もあり内部構造は配管むき出し。運転席はこの配管などの先にありますが
入れます。
おわかりいただけただろうか。
なんかここメッチャ自由に車内見学が出来るんですよ!
最近整備されたような鉄道系博物館じゃまあ入れないような所にも普通に入れます。
ここまで触れる場所はあまりない様な気がしますね。
とことでラッセル車の運転台と、運転台から見た光景です。
この体験はもう2度とできないかもしれないなあ。
車内に入れる車両は他にもご覧の通り。
中に入れない車両も合わせると車両展示数も中々の物。
このラインナップが濃すぎて普通なら展示車両の花形になりえるC58、C57が目立たないのが面白い。
ただ閉園の理由が財政難はもとより「車両整備する人材の不足」となっていまして
実際今ではただ1人の方がここにある全ての車両を管理しているそうです。確かにこの両数だと大変すぎる……
でまあもっとじっくり見たいのですが、なにせ雨がひどい……
予報を見る限りしばらくすると止み間があるとの事だったので、一度昼ご飯を食べに退散です。
……
止んだわ……すごいな天気予報……
それよりビックリしたのは昼ごはん食べるところが無かったことだけどな……
(近所の施設は14:00過ぎたらランチが終わってた)(道の駅の物販に救われました)
とことで改めて。
よく考えたら今冬はとんでもない暖冬で、
最後になるかもしれないこの訪問で雪景色が撮影できたのは随分とラッキーだったのかもしれない。
などと思いながら何点か写真を撮影していましたが、再び雨が降ってきました。
凄いな天気予報……こっちは当たらんで良かったんやけど……
気づいたらカメラもビシャビシャになってしまったので、最後にお気に入りの車両を撮影して退散です。
お気に入りです。
いやだって魔改造のさきがけやん?(キハ08系は客車から気動車に改造された車両)
なにせ私の好きなのはこういう車両ですから。やっぱり一風変わった車両って魅力的ですよねえ……
さておき、私どもが訪問した時はまだ正式に閉園の案内は無かったのですが
□加悦SL広場 閉園のお知らせ – 加悦SL広場
残念ながら今年の3月末で閉園するという案内が正式にされました。
となると気になるのは現在ここに保存されている車両たちの今後です。
重要文化財に指定されているような車両は概ね大丈夫でしょうが、先ほどのキハ08のような車両は怪しいですね。
もう日本に1両しか残ってないので残してもらいたくはありますけど、あの保存状態ですしね。
ただこの先少しでも多くの方が来園することで、ここにいる車両たちの未来が変わるかな……?とも思っています。
ここまで書いた通り、他よりも一歩踏み込んだ所まで見学、体感できるテーマパークです。
残り1か月程ではありますが、このまたとない機会に皆様も是非一度訪れてみてはどうでしょうか。