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【駅舎探訪】姫新線駅舎改築変遷……ってやっぱり今年度以降に簡易駅舎になる駅は不憫過ぎません!?

前回の副産物で、駅舎のネタを一つ。いやサイト的にはこっちをメインにしろって話になりそうですけど。

前回たつの市へ向かった際に使った姫新線ですが、ローカル線ながらも割と整備がされている方でして。

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特に兵庫県内の姫路~上月間は路盤改良も含めた高速化が図られており、乗車人数も増加傾向にあります。

その一方で駅設備の更新も比較的活発で、開業からの駅舎を使っている駅は随分と減りました。
今回はそんな姫新線のうち、作用~本竜野間の駅舎を大体見て回って来たので、その時のお話です。

 

 

まずは前回の起点となった本竜野駅。

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残念ながら更新前の駅舎写真はないのですが……2010年よりこちらの橋上駅舎が使われています。
前回書いた通り、先代駅舎は同時期に建てられた他の駅よりも大きめに作られていました。

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その先代駅舎時代に跨線橋で使われていた柱の一部がモニュメントとして2番ホームに残されています。
1912年製造とかなり年代物ですが、駅開業は1931年なので何処かから流用されたものだそうで。

 

 

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続いて本竜野駅と並びこの区間の主要駅である播磨新宮駅。
2009年まではこちらの木造駅舎が使われていましたが、現在は建て替えられて本竜野駅同様に橋上駅舎となっています。

いや今回訪問は出来てないんですけどね、この前写真あさっていたら昔の写真が出てきたからね、ね。
今の駅舎はウィキペディアとかで見てね。

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以前の木造駅舎は姫新線の駅としては標準的な大きさ。
水色に塗られているのも、この区間に残された木造駅舎でここ最近見られる共通点ですね。

 

 

播磨新宮と本竜野の間にある駅、東觜崎(ひがしはしさき)駅です。「読めないし書けない」駅です。多分。
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ここは開業当時からの駅舎が健在。

ただし昨年に駅ロータリーが整備されており、加えて今年には駅舎の屋根が瓦からスレート板に交換されています。
昔ながらの雰囲気、と言うものは少し薄れているかもしれないですね。

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しかしながらそもそもこの駅の駅舎は残っているのが不思議な状態。
と言うのもここは終日無人駅であり窓口は常時閉鎖。それでいて使用されなくなった部分の転用も特になく。

この状態になると昨今の流れ的に駅舎自体が取り壊されそうなものですが

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駅務室側に2015年製の室外機があったので、どうやら普通に社員詰所的な使われ方をしているみたいですね。
いずれにせよこの先も末永く活用してもらえればと。

 

ここから先は播磨新宮と作用の間を行ったり来たりしますので、あらかじめご了承頂ければ。

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播磨徳久駅です。
形状的に以前からの駅舎を改修した建屋かと思ったのですが、2000年に建て替えられたものでした。

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建物内の様子をみれば最近の建築だとすぐ分かりますね。
ローカル線でたまに見る地域施設との合築駅舎で、大半が「ひまわりの郷ふれあいセンター」として使われています。

 

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姫路寄りに一駅戻って、三日月駅です。
最近木造駅舎ばかり追っかけてきたので、こういう建屋は既存の駅舎をコンパクトにしたタイプだとすぐ分かりますね。

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まあ違うんですけどね。こちらは2002年に建て替えられたものとなります。

出入口には「三日月交流センター」とあり、播磨徳久と同じく合築駅舎とも言えますが……建物内に部屋はありません。
改札通路は建物外にあるので、この空間自体が集会所と言う扱いになりますかね。

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建て替えで空いたスペースにはJAが鎮座します。JAつよい……

あと駅舎の上に付いてるゴキゲンな三日月装飾は後で付けられたもの。
山にすら三日月を描く街ですから、駅舎に三日月を乗せるくらい造作ない事です。

ちなみに三日月の名はこの辺りの地名から来ています。意外にも江戸時代には既に存在する、由緒ある地名ですね。

 

 

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一駅飛ばして千本駅です。
1971年には既に無人駅となり、その後1979年には早々と駅舎が建て替えられて今に至ります。

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遠目から見るとコンクリート製の駅舎に見えますが、よく見るとコンクリート製の風除けに屋根が覆いかぶさった構造。
簡易駅舎の先駆けのような存在と言いましょうか。

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面白いのは有人窓口が設置されている事。
無人駅化後の建て替えなのですが、どういう意図で設置されたのか、また実際使われた事はあるのか気になります。

あと壁面が他の木造駅舎と同様の水色で塗られているのも、過渡期の駅舎らしくて個人的には面白いなと。
ちなみに同タイプの簡易駅舎は、同路線の播磨高岡駅(姫路駅の次駅)にも採用されています。

 

 

行って戻って、お次は作用方面へ一駅進んだ西栗栖駅です。

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Googleマップの紹介写真には木造駅舎が載っています。ここも昔からの木造駅舎が

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残ってないねえ!!

タッチの差、とも言いにくいですが今年の3月に現在のバス停……もとい駅舎に建て替え。
開業記念碑を残し、元あった木造駅舎は跡形もなく消えてしまいました。

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今回の記事で遂に登場の2020年製簡易駅舎。
千本駅建て替えの1979年から40年余りの月日を経て、簡易駅舎は申し訳程度の壁3枚と1脚のベンチにまで収束しました。

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もっともこの夏には更にとんでもない構造の駅を見たので「また横の壁あるだけマシか……」と思ったのは内緒。

しかしまあ今年度に簡易駅舎化された駅は不憫だわな……
今回結果的に建て替えられた駅を順繰りに見て回る感じになりましたけど、段違いにショボいもんな……

 

 

さておき、この辺で心を落ち着かせましょう。
冒頭にしれっと「佐用~本竜野間」と書きましたけど、最後に残った佐用については以前撮ったホームの写真でご容赦を。

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寄ろうとは思ったんですけど、時間の都合で今回行けなかったんですよね……
智頭急行と共用の駅舎は何の変哲もないコンクリート打ち放しの物なので、特に面白みは無いかと思いますが。

 

 

で、その代わりでも無いんですが本竜野から一つ姫路寄りの太市駅に寄ることが出来たので、ここでご紹介。

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こちらはまだ開業当初からの木造駅舎が健在。
加えて屋根も瓦葺のままなので、比較的原型を保った希少な存在です。

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ただ周囲の様子からして、明らかに「この先どうにかなっちゃうんだろうなあ」って感じでしたが。

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実際その通りで、太市駅周辺は駅を含めて再開発が予定されています。
周囲の建物も撤去して行われる、大掛かりなものですね。

都市計画決定(変更)告示(太市駅周辺地区地区計画) – 姫路市

内容を見るに駅舎と一体型の商業施設を検討しているようで。
さらに今までなかったロータリーも整備するという事なので、どちらかと言うと発展的な改築と言えるでしょうか。

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そんな中でも未だ駅舎が利用されている状態だったのは僥倖。
なにぶん工事範囲が広いので、駅舎を閉鎖して迂回通路を作るのが難しかったのでしょうね。

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恐らく撮影できるのはこれが最初で最後の機会なはずので、存分に撮らせていただきました。
西栗栖駅とは対照的に「間に合って良かった!」と言った所でしょうか。

 

 

とことで最後は解体前の駅舎を首尾よく撮影できたところで、今回のお話はおしまい。

この様子だと駅舎の改築はさらに次々と進むでしょうし、引き続き見に行ける範囲で回りたいものです。
それこそ差し当たっては姫新線の上月~津山間とかね。あの区間も木造駅舎が多いですs……

え?勝間田駅が改築される?そうですか。

 

 

そうですか……

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次回、姫新線駅舎探訪上月~津山間編をどうぞお楽しみに。

言うが早いか、とにかくちょうど見に行けるタイミングがあったのでつい。

まあ実際ここでご紹介するのは次回と言うか、勝間田駅以外にもある程度見て回ってからになると思いますけど。
勝間田駅が建て替わってしまうまでには形に出来れば良いですね。

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