前回から続く姫新線駅舎探訪、今回は美作江見駅を発車した所からスタートです。
美作江見駅の次は楢原駅ですが、ここは待合所のみの駅なのでスルッと行きます。
西栗栖駅があんなことになる前で考えると、ここが姫路から来て最初の駅舎がない駅になりますかね。
利用者はそれなりに居るようで、道路を挟んだ向かいには駐輪場とお手洗いがあります。
2011年までは駅前の商店で常備券を売る簡易委託駅だったそうです。
楢原駅を出ると、次は林野駅に止まります。
林野駅に到着です。
……などとしれっと書いておりますが、撮影日は2018年1月です。
前回も書きましたけど、本当はここで降りて湯郷温泉行きたかったんですよ。
だけどアレがまたアレな感じになったからね、この前は立ち寄らなかったんですよね。許すまじアレ。
ローカル線には珍しい行灯型の駅名標が備えられており、さすが美作市の中心駅と言った所。
配線も一見1面2線の島式ホームに見えますが、駅舎側の線路は撤去されて現在は棒線駅となっています。
全盛期には側線まであったそうですが、現在はすべて撤去。
そして撤去された線路跡にはマンションが。何これこの周辺地域の流行りなの?
ホームから駅舎へ。線路撤去の影響で通路が妙に長く見えます。
屋外用の駅名標がこちら向きにあるのはかなり珍しい気がしますね。
実はお召列車の始発駅になった実績もあるので、駅設備が立派に見えるのはその影響でしょうか。
ちなみにお召列車が走ったのは昭和22年の話ですが、今の駅舎はその後に改築されたものです。
改札口は美作江見駅等よりさらにガッチリとした物。
先ほど少し触れましたが湯郷温泉の最寄り駅という事で、傍らには宿泊施設の案内もあります。
出札口の辺り。旅行会社の営業所が入っており、出札業務も行う簡易委託駅となっています。
旅行会社という事であちこちに旅行関連のポスターが貼ってありますが、基本的に時が止まっておりました。
駅を出て外観の写真を。
ここにも「歓迎 湯郷温泉」の看板があり、いかにも温泉への玄関口と言った風情です。
実際には少し離れていますが、それでも車で10分弱。
基本的にタクシーが客待ちをしておりますので、これを利用すればすぐに行けますね。
また駅前広場、及び少し歩いた所にあるバスターミナルからはバスも出ています。時間が合えばこちらでも良いですね。
かつての栄華をしのばせるバスのりばは一見の価値あり。
まあこの時は歩いて湯郷温泉まで行ったんですけどね。
いや歩いても30分ちょいだったから……さすがに帰りはバスの時間に合わせてバス乗りましたけど。
なお湯郷温泉自体は去年の11月に再訪してますが、何やら面白い事になっておりました。興味のある方は是非。
以上林野駅でした。お次は勝間田駅です。実は湯郷温泉からバスに乗れば15分ほどで着くんですよ。
勝間田駅です。こちらの撮影日時はまた飛びまして、湯郷温泉再訪と同日の2020年11月です。
入口には堂々と自販機が鎮座し、少々くたびれた雰囲気もある木造駅舎。
これだけ見ると、開業当時から使われているという事以外特に言うべき事も無い感じですが
横になにやら工事用の柵が見えますね。
そして横に何か見えますねえ!!
はい。という訳でこちら勝間田駅の新しい駅舎となります(※柵の外から撮影しています)
今回この記事を焦って書く事になった元凶。
勝間田駅は今年度末までに新駅舎へ機能を移しまして、旧駅舎はお役御免となります。
□岡山県勝央町とJR西日本、勝間田駅の新駅舎を2月22日供用開始 – トラベル Watch
先日出た記事で供用開始日が具体的に発表されました。よし間に合ったな!
となると現在使用中の駅舎を見るのはこれが最後になる可能性もあります。
またとない機会、ここはじっくり見ていく事にしましょう。
建物入って出札口周辺。なんか雑然としてますけど、割と原型を留めています。荷物台も残ってますね。
ここも林野駅と同じく、駅務室に入っている旅行会社が担当する簡易委託駅となっています。
駅出入口と改札口。出入り口には駅の所在地である勝央町のスローガンが掲げられていました。
改札口はこれまで見てきた他駅の物より簡易です。
上部には謎の空きスペースがありますけど、何か貼ってあったんですかね?
構内は2面2線。ちょうど作用方面へ向かう列車がやって来ました。
この日はそのままお見送り。写真左側には美作江見駅以来となる、タブレット交換に関する掲示も確認できます。
ここでは「東津山」と「林野」の2種類がありました。
だいぶ良い状態のまま残っていますが、駅舎解体の際にはどうなってしまうのかが気になる所。
他にも、柱には番線標示が直に書かれています。
向かいのホームは2番、津山方面のりば。
となれば必然的に駅舎側は1番で、方面表示は
!?
「大阪方面」とは大きく出たな……いやまあかつてこの区間を走っていた急行列車は大阪行だった訳ですが。
今では姫路行の直通列車すら無くなりましたし、流石に現状との乖離が大きすぎる為か消されていましたね。
いつもの建物財産標。読みにくいですが美作江見駅と同じ昭和10年6月と表記されています。
便所。屋根の瓦が駅舎本屋と同じものなので、昔からそのまま使われているようですね。
おかげでだいぶ使いにくい感じに……
終わりが見えてるという事もあるんでしょうけど、便所に限らず全体的にくたびれた印象は受けました。
築85年。今までお疲れ様でしたね。
さて、そんな現駅舎に変わって2月22日から供用開始される新駅舎。
見えていた範囲で写真を撮りましたので、こちらも合わせてご紹介しましょう。
新駅舎は今よりも姫路寄りに建築されました。構内踏切も姫路方にあるので、向かいのホームへ行きやすくなりますね。
通路は広めに取ってあり、今のホームと段差無く接続されそうです。
少し左右に振って。見ての通り木材がふんだんに使われた雰囲気で、これもまた木造駅舎と言うべきでしょうか。
左側に待合所、右側には待望の綺麗な便所。
改札はきっぷ回収ボックスが建てられているのみで大分簡略化されています。
となると駅業務をする予定が無さそうなので、簡易委託も終了……?
ただ上に貼ったニュース記事を読むと、待合所の一角に事務室があるんですよね。
結局ここで出札業務を行う気はしますけど、この辺は供用開始してからちゃんと確認した方が良いですかね。
そんな感じであとは供用開始を待つばかりの新駅舎。
最近の流れを考えるとここまで立派な駅舎が再度建てられるだけでも喜ばしい事です。便所も綺麗だし。
今後末永く、大切に利用される事を願いたいですね。
一方でこの光景が見られるのはあとわずか。
とにかくアレがアレで動きにくいのがもどかしい所ですが、周りに配慮しつつ見に行くか……
もしくは上のつたない写真で思いを馳せていただければ幸いです。
ところでこの後日、勝間田駅を通った時にこんなものがチラッと見えたんですけどね
なるほど繋がったな!!
色々貴重なものが残っている感じですけど、どこかに保存されることを期待したいですね。
さて時間を今年の1月に戻しまして。勝間田駅を出発た列車は西勝間田駅、美作大崎駅と止まっていきます。
この2駅は待合所のみ。
美作大崎駅に駅舎が無いのが割と不思議なんですけど、果たして駅舎が存在した時期はあったんですかね?
美作大崎駅を出ると次は東津山駅。
津山市内に入り、周囲もかなりにぎやかになって来るので見落としがちですが
この駅、実は今まで紹介してきたどの駅よりも古いんですよね。
とことで下車します。
因美線との合流駅であり、側線も残っているため構内は広々しています。
便所、改装済で快適なもの。
ホーム上屋。
建物自体はアルミサッシ化等の手が入ってますけど、柱周りの木組みに年季を感じますね。
待合室と出札、改札口。
やはり手は入ってますけど、こうして見ると今まで見てきた木造駅舎と構造は似てますね。
出札口は中に人が出入りしている形跡がありますが、この駅は基本的に無人駅。
改札口の仕切りもいよいよ無くなりまして、通路は広々としています。
外観。左横から張り出してきている建物は交番です。
壁面、窓については綺麗に近代化改修され、木造駅舎の面影は薄いですね。
一方で屋根には緑色の瓦が使われており、こちらは昔ながらの雰囲気が残っているのでは無いでしょうか。
駅前はロータリーではなく広場状になっています。
傍らには「鐵道開通七十年記念」と書かれた記念碑が。駅巡りをしていると何かと記念碑的なものを見かけますね。
これについては側面に書かれている文言に若干のきな臭さを感じますけど。
以上、東津山駅でした。
街中にあって外観も現代風ですが、じっくり観察するとそこかしこに木造駅舎らしさがありました。
いかにも!という木造駅舎はすぐ分かりますけど、こういうケースもあるという事は頭に入れておきたい所です。
東津山駅の次はいよいよ終点、津山駅です。
さすがにここまで来ると次の列車を待っても良し、また駅前からバスに乗っても良しと言う所。
ただ津山駅からの乗継を考えた時に一番確実な手段、それは
ジョギング。
自分の足より公共交通機関を信用しろって話なんですけどね、バスでも乗継時間が5分程度だったのでね。
それに3km程度なら問題なかろうと思ったんですよ。
まさか1kmほど走ったところで限界が来るとは思いませんでしたけど。
棄権寸前の選手の様に歩いて走って、どうにか津山駅到着。
なお、バスはその後すぐに定刻通りやってきました。大人しく乗ればよかった。
という事でね津山駅なんですけど……
ここまでの本文がべらぼうに長くなった(当社比)ので、今回は駅の紹介を割愛したく。
まあ津山駅からは4方向に向かえますし、周囲には良い感じの駅舎もあるので
そのうち何かのついでにご紹介できるでしょうという事で。
ちなみにこの時津山駅から乗れた列車が国鉄色のキハ47でした。
当たりでしたね。時間に間に合って良かった。
とことで、一部端折りましたがこれで姫新線の姫路駅~津山駅まで一通りご紹介できました。
姫新線はこの先新見駅まで続きますし、津山駅から出ている津山線、因美線も味わい深い駅舎が多いです。
実際この後津山線で岡山駅まで向かったわけですが、気になる駅は多かったですね。
こうなると駅舎探訪も沼ですねえ。いやあ奥が深い。
ともかく今の状況が落ち着かないと身動き取りにくい所もありますが、気になる所は随時向かいたい所。
もうすぐダイヤ改正があって色々動きもありますけど、今ある光景は今しか見れませんからねえ。