トップページ | « | »

復活した名松線に乗ってきたお話

[復活した名松線に乗ってきたお話]
神戸のイベントは盛況のうちに終わりまして何よりでした。
一言二言とは言え同好の士と話すのは楽しいものです。

 

 

さて、このイベントの一週間前にはJRのダイヤ改正が行われました。

目玉は何と言っても北海道新幹線の開通かと思いますが、この日にもう一つ開通した区間があります。

DSC_0864DSC_0931
DSC_0891
名松線・家城~伊勢奥津の区間。正確には横断幕にある通り、運行再開なんですけどね。

とは言え、台風被害による運行休止から今回の運行再開に掛かった期間、実に6年半。
沿線住民の方々など、関係者からすれば悲願の開通だったのではないでしょうか。

とことで運行再開の翌日に早速乗ってまいりましたので、今回はその時のお話です。

 

IMG_7512IMG_7515
IMG_7510DSC_0841
スタートは近鉄との乗換が至便な一志駅から。
一志駅が無人駅なのは知ってましたが、近鉄側の川合高岡駅も無人なんですね。

DSC_0834
駅に着いてまもなく、伊勢奥津側からの列車が到着。
普段は単行が基本の名松線列車ですが、この日は2連。それでも車内は混雑している様子でした。

DSC_0843DSC_0849
私が向かうのは反対側の伊勢奥津行なのでそのままお見送り。
先ほどの列車が松坂で折り返して戻ってくるのを待ちます。しばしの静寂です。

…と思いきや、しばらくするうちにそこかしこから家族連れがぞろぞろとやってきました。

 

父「今日からは家城より向こうまで行く事が出来るようになったよ」

子「え、そうなん!?すげえ!」

 

って会話がかなり印象に残っています。
確かに、小さい子にしてみれば当然に「名松線=家城まで行く路線」という認識ですよね。改めて6年半の時の流れを実感しました。

 

 

DSC_0856
結局列車到着時にはこんな状況に。凄い、あの名松線がここまで賑わうなんて…!

とことで乗車しましたが、当然座れずだったので最後部を陣取り。
位置的に車掌さんと隣り合わせになったので少々会話を…

って、名松線に車掌さんですと!?

 

車掌「あー、普段は絶対無いんですけど、この土日は多客対応で乗車させてもらってます」

 

なるほど多客対応。確かに乗客も多くて大変そうで。
だけど車掌さんからすれば普段「絶対」勤務する事のない区間だからでしょうか、どこと無く楽しそうにも見えました。

IMG_7525
そんな会話をしながら発券してもらった乗車券。列車番号9999Dがこの特別な事態を物語ってます。

DSC_0871DSC_0878
家城駅に到着。通票を交換し、いよいよ運行再開区間に入ります。

DSC_0882
本部の人?とお見送り。なんせ6年半振りですし、駅員さんも思うところはあるでしょう。

 

 

さてここからしばらくは、補修された路盤等の状況をご覧下さい。

DSC_0886DSC_0889
DSC_0896DSC_0898
DSC_0899DSC_0901
DSC_0902DSC_0906
こうして一通り見て「かなり徹底的に修繕されたな」という印象を受けました。
被害を受けた場所の補修に留まらず、側溝の整備もかなり大規模に行われています。

水の出る場所からなにから調査した上での修繕でしょうから、復旧に際して相応の時間が掛かった事もやむなしでしょうか。

DSC_0918
と、撮影するうちに列車は比津駅までやってきました。この次が終着、伊勢奥津駅です。

 

 

DSC_0926DSC_0931
伊勢奥津駅に到着。以前訪れた時にも印象的だった給水塔は今も健在でした。

IMG_7526
そして『住民は大歓迎ですぞ!』を体現するかのような盛況っぷり。

DSC_0947DSC_0943
それもそのはずで、今回の運行再開に合わせて地元の方々でイベントが催されておりました。
お陰でかなりの賑わい。これが…これが生まれ変わった名松線…!

IMG_7530DSC_0944
とは言え今まで幾たびも廃線が取りざたされてきた路線。
この度は運行再開ということで一時の盛り上がりを見せてますが、むしろ復活したこれからが正念場かもしれません。

DSC_0962DSC_0959
DSC_0969
その点で言えば、駅前は過去に興津宿として賑わった当時の様子を今に残しており、結構良い雰囲気です。

DSC_0966IMG_7534
ただお店として開けている所は無いに等しく、若干死んでしまってるのがなんとも惜しい。
こうした家屋の有効活用が出来ればいいのかもしれません。

DSC_0951
あとは若干個人的な意見も入りますが、名張に向かうバスがほぼ壊滅してるのも残念。
「名松線の名」は「名張の名」なのでね…

画像 078_コピー[2]画像 082_コピー[2]
実際、災害発生以前に名松線へ乗りに行った時は、昼頃に名張からバスで伊勢奥津へアプローチしています。
旅行する人間にしてみれば、単純往復だけでなくこうして移動できる手段もバリエーションの一つとして欲しい所です。

 

 

しかしこの時乗車した際の運転手さんから

「どんどん乗ってな、無くならんようにしたいからな」

って言われたのを良く覚えてますが…その先の鉄路がまさかの運休ではどうしようもなかったか…

 

 

なんて事を思い出しながら過ごしていたら、折り返しの時間となりました。

DSC_0972
再び、当然のように満席の車内へ戻ります。
そして定刻通り、列車は松坂へむけて発車しました。

IMG_7538
ん?

IMG_7538
おあ、めっちゃ手ぇ振ってくれてる!

「やめーや泣いてまうやろ!」とはまさにこの事で。
この地域の人たちの、名松線に対する想いが十分伝わる一幕でした。

 

 

路線によっては住民からも見限られてそのまま廃線になる路線も少なからずあります。

しかし今回の復活劇からも分かる通り、名松線は確かに地域住民から大切に思われている路線に違いありません。

あとはこの復活した路線をどう活用するかが今後の課題。
今後イベント列車の運行も検討されているとの噂ですし、この盛り上がりを上手く利用して欲しいですね。

DSC_0939
とことで、復活した名松線に乗ってきたときのお話でした。

Pocket